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アルファイン203号室。私の大好きな部屋で、私のことを大好きな男を身動き出来なくして、どう調理しようかと目の前に立った時に、前回のプレイ後の会話が突然思い返された。
コロナの影響もあって、半年以上プレイの間が開いていた。今日はとことん虐め抜こうと決めていたけれど、その理由を思い出そうともしていなかった。でも思い出した。

「今日、お前のことをお仕置きしないといけないんだった。理由わかる?」
いくつか、間違えを続けた後に彼は言った。
「…6月のことですか?」
「そう。」

昨年6月に開催した私の女王様10周年パーティーは、ラシオラやユリイカや皆さんの協力のお陰で大成功をおさめたけれど、周りのマゾたちには揺れが生じた。思いが強い人ほどに、大勢の人越しに見る私に寂しさを覚えたようだった。
私は鈍いことにそれに気付くまで、パーティーが終わってから暫くかかった。そんな話を、その時も半年ぶりになってしまったプレイ後にしていると、彼が口を開いた。

「そこまでルイ子さんがお話してくれるなら言いますが、僕も寂しかったんですよ。」
「…え?」
パーティー当日も来てくれた彼は、明るくお祝いを言って感動を伝えてくれていたので、私は驚いた。
「寂しくて、他の人とプレイもしました。」
「そうだったんだ。全然気付かなかった。どうやって解決したの?」
「時間ですね。」

プレイも終わって、理性のある状態の私は、正直に話す勇気と時間をかけて立ち直った彼を褒めたかったのだ。

けれど。その日の会話を思い返しながら、暗い薄赤く染まるSMルームにいる私には、欲望がストレートに湧き上がってくる。

「私から与えられる苦しみと、私から、逃げようとしたでしょ。」
同時に肉体に痛みを与えながら、問いかけると、謝りながら彼は言った。
「…でも、好きでいるのって、苦しいんですよ?」

苦しくないとは思っていないよ。
きっと、プレイで与える肉体的な責めよりもずっと厳しいはず。だって、終わりのない、休みのない苦しみなのだから。

「だからその苦しみから、逃げたらダメじゃない。私の与える苦しみをそのままの大きさでちゃんと、受け入れないと。ダメでしょ。」

最も厳しい責めだからこそ、逃げないで動かずに、誤魔化さずにそのままの大きさで、受け入れさせたい。
そこから逃げたのだからお仕置きをしないと。ちゃんと言語化しないと。納得がいかない。この子を本当の意味で私のものに、私はしていたいから。

「ルイ子様に全てを捧げます。」

苦痛の隙間で言われた台詞だった。
全て。全ては日常生活もあるし無理だ。でも、それで意味は伝わる。心を捧げて。苦しみが伴っても。心の真ん中に私は鎮座し続けたい。
なんてエゴイスティックで強欲なのかと自分でも呆れるけれど、それが私の真っ直ぐな欲望なのだ。

苦しみの後に何度も何度も果てながら、溢す素直な気持ちを受け止めた。
そうした後、私たちは服を着て部屋を急いで片付けて、外に出た。まるで何事もなかったかのよう。

でも、何事もなかったことなどない。会う時間迄の責めはまた始まるし、今の時間は刻まれているはず。そのあとの時間は再び凝縮された甘い時間になるはず。

それまで、ちゃんといい子でいなよ。
それが出来なかったら、お仕置きをしてあげる。

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