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私を見上げ、切実な表情で男は訴えた。
「あの日から頭と身体からルイ子様のことが離れなくて、本当に苦しんです。こんなに苦しいものなんですか?この苦しみはいつまで続くんですか?」
「暫くは続くよ。でもこれがお前の求めていたことでしょう?」
と私は答えた。

ラシオラに入会した日の彼は、本当の意味で追い詰められたい、今日プレイをして自分の理想の世界が体験できなかったら、叶った理想の世界に陶酔できなかったならば、SMに希望を持つのは諦める、といった内容を控えめに言った。
その時の彼も切実で、そして私のブログを熟読した上での、彼の訴えるファンタジーは私を鼓舞させた。腕まくりをしていたかもしれないし、バレないように舌なめずりをしていたかもしれない。でもきっと表面上は微笑んで頷いていたと思う。
シャワーへ行くように指示を出して、立ち上がった彼に
「本当に追い詰めるけど、ちょっとの抵抗じゃ私やめないと思うから、本当に止めて欲しい時は私にわかるように抵抗してね。」
と念を押した。
そして、一人になって、声を出して少し笑ったかと思う。後悔しないかな?でも後悔する程の時間を欲してることはわかってるから。ちゃんと追い詰めてあげる。

マゾヒスティックなファンタジーが叶わないのは不幸せかもしれないけれど、叶ったら幸せとは言い切れない。幸せと取るのか不幸せと取るのか。だってマゾヒスティックな欲望は、苦しみや切なさや寂しさや痛みが内包されているから。
勿論SMクラブに来る人の全員がそんな欲望を持っているとは思わない。苦しみを求めている人間が、苦しみを得られないのと、苦しみを得られるのはどちらが幸せ?という話だ。私は苦しみの中の快楽を、その両方をたっぷり味合わせたいし、経験させたい。
それは私の欲望が出した答えだ。幸か不幸かは人と場合と見方によるから考えるのはやめることにした。最初から考えた選択なんてしていないんだけど。
目の前の、切実に絶望の瞬間を与えられることを求めている男に、私は絶望と、絶望による快楽を与えたいし、それに満足させたいし、その上で苦しんで欲しいし、それでも被虐に陶酔して欲しい。

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