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2016.01.29 A2Z-N 髪
A2Z
部屋に、いくつかのハイヒールを並べて、いくつかのワンピースを広げた。

私はNが選んだ黒のワンピースとバイカラーのハイヒールを、
取って身につけて、彼をベットに座らせて隣に腰かけた。

その肩を押して、口を合わせたのが最初の夜だった。

Nは無駄なことを話さない誠実な印象だったけれど、鏡越しのたまにわかる表情は、笑みが我慢できないような場合が多かった。
目線の先は髪の毛に集中されていて、好きでたまらないことがよくわかった。
その姿を確認しながら、私はいつかこの男を食べてやろうと目論んでいた。
けれども、慎重に時間をかけて。狙いを定めている時間が貴重なことを私はもう知っていたのだった。

「これだけ長いと、洗うのも大変ですよね。」
「洗うのはまだいいんだけど、乾かすのが大変で。」
「来ていただけたら、いつでも乾かします。」

家でNに髪を乾かされながら、その時の会話を思い返した。
こうなるまで、手がかかった。

「僕、日本を離れないといけないんですよ。だから、先に進むべきじゃないと思うんです。」
「いいじゃん。それまでの間で。1番楽しい時間だけ一緒にいられるよ。」

机の足と本棚の足に手足を縛って目隠しをするとNは恐いと言った。
服を捲り上げるとお腹が見えてきてそのまま胸まで。
この景色が私は好き。
ベルトを外す瞬間も好きだ。

どこから食べよう。

駄目、という言葉は、甘美な言葉だと思う。
服は着ているところからスタートするから脱がす楽しみがある。
手間がかかるのは、楽しい。
公的な姿を見ているから、あられもない姿が際立つ。
話さず、言葉少ない口から漏れでてしまう声は私を湧き立たせる。

私はNの口を手で塞いだ。

そこから溢れてしまう声を振動で感じて、私はNの鼓膜を揺らして濡らした。

夏が最後の力を振り絞るような日が最後だった。
暑さは、日が一番長い時を越えてから増していく。
強い日差しを浴びながら川沿いを歩いて、私たちは橋を渡った。

橋の真ん中から見る景色は、ほどよく雲が装飾された終わりのない青空へ、日が引かれ、冬へ向かう熱があった。
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2015.09.09 A2Z-M 口
A2Z
「どうやって私がここへ来ていたって知ったの?」


窓からは首都高速を走る車達が見下ろせます。
夜なのに外の方が店内よりも明るいかもしれません。


私はソファに腰を掛けると、Mを眺めました。
先日この店を訪ねた後、公開しているフリ―アドレスへ、メッセージが届きました。
『夢子さんがいらしていたんですね』


「ここからの景色が載っていたから。」

私とMを照らすのは、その景色からの明かりでした。

「なにか飲み物を作ってよ。」

今、物語が始まるような予感。
始まりを焦らすように、私は言葉以外のなにかを口にしたくなりました。

「…何にされますか?」
「ダイキリ」

ダイキリは、私がお酒を飲み始めたころバーで覚えたお酒でした。シェイクするお酒をつくって欲しいと言って最初にでてきたものです。
カウンターから音が響きます。

初めてここへ来たときに交わした言葉を私は覚えています。
Mも私が何を最初に飲んだのかを覚えています。
一番目に口にするそれは、それを間にした二人のあらすじが進むごとに重要な、始まりの象徴へと変化していくように思います。
シャイカーからグラスに注がれるダイキリを見たあとでもう一度Mを見上げました。
彼はネクタイを閉めたままです。
これはMを知ってから一番目のお酒。


「座ったら?」


私はMについて、簡単に聞きました。じっと見つめると言葉をつまらせながら話をします。
ダイキリがなくなる頃には、この男を私で占めてしまいたいと思いました。
思考が消えて、言ったこと、したことを疑いなく信じて動くように。


二番目に差し出された赤ワインが冷えていたので、常温のほうが好きなことを伝えると、Mは大ぶりのワイングラスを両手で包みました。
冷えた赤い液体が手の中で泳いでいます。


「あったまった?」
「…いいえ」


口の中ではオランジェットが溶けています。
私はMの顎をつかんでそれを注ぎました。
Mの手からグラスを取って、代わりに空いた口に、まだ冷えたフルボディの赤ワインが入ります。


「脱いで」
「全部ですか?」


全部。Mは驚いています。
ネクタイが解かれたあとにベスト。シャツ。靴。靴下。ベルトが外されて、ズボン。

魔法が使えるような心地よい錯覚が生まれます。
パンツには私が指をかけました。おろして、堅くなったそれを握ると笑みがこぼれてしまいます。
次に何が起きるのかを怯えるように、だけど受け入れることをあきらめたような瞳。
恥ずかしいです、と小さな声が聞こえます。

私はカウンターの上に座りました。

「舐めてごらん。お前が這いつくばって舐めるんだよ。」

男に這い蹲らせて、靴を舐めさせるのが私は好きです。それには、カウンターの高さはちょうど良いです。
次は左足。左足は、組んだ下側なので、もっと低くならないとなりません。ほぼ見上げるように。
ハイヒールをつま先にかけてそれを揺らします。夜が明けてきて、カウンターと反対側の奥の空が明るくなってきています。
つま先からハイヒールが落ちます。

唾液で濡れていく足越しのMの顔は逆光でよくわかりませんでしたが、この景色は快感の完成形のようです。

「ここに横たわって」

カウンターから降りて、顔を挟むように跨いでから私はパンツを降ろしました。
足首までのスカートの裾の下へ顔が見えます。

「したこと、ある?」
「初めてです。」

そのまま腰を下ろしてスカートをたくし上げるとMの手が太ももに添えられました。

口から溢れてしまった分が床に広がって、Mの髪が濡れていきます。
私はすべてを出し切ってから、濡れた顔を確認し、そこへ座りました。
このまま沈んでしまったらいいのに。
2012.07.08 A2Z-L lonly
A2Z
ええ、そうなんです。
私、男の人の言う「好き」って信用していないんですよ。
だって、好きイコール、ヤリタイでしょ?好きイコール射精したい。でしょ。
だから、「好き」と言われても話半分位でしか聞きません。
それにあなたしかいない、とか言っても、少し目を離して振り返った瞬間には違う人間に同じ台詞を吐いているのを何度も何度も思春期から見てきていますから、私。
男の人っていうのは口説くのが仕事ですからね。
射精をする為にはいくらでも嘘を吐くもんだって、思っていますよ。
真に受ける方が世間知らずなんじゃないかしら。

だからね、私「嫌い」と言われる方が好きなんですよ。
私に深く関わって面と向かって「嫌い」と吐きつける男の人の方が信用できます。だって「嫌い」イコール射精したいじゃありませんから。
本当に私のことを嫌いになったのならば、「嫌い」なんて真正面から吐きつけるなんて面倒なことはしないで、無視すればいいんですよ。嫌なやつ、嫌な女、と思って関わるのはやめますよね。
私はこれまで、たくさん嫌い、と言われてきましたよ。
でも、私はそう言われると、この男の人は射精がしたいんじゃなくて、私が好きなんだわ、ってそう思えるでしょ?だから好きです。
「好き」なんて言葉は簡単ですよ。すきすきすき。でも嫌いは簡単ではありません。

好きの反対は無関心と言いますでしょう。あれは本当にそうですよね。
私、小さい頃から好きな男の人には、意地悪してしまうんです。高校生くらいまで気付きませんでした。もしかしたら今もそうかもしれません。気付かない内にしているかもしれません。
私が小さいころしていたイジメで一番好きだったのは、閉じ込めることでした。男の子を閉じ込めてしまうんですよ。出してって言われるのを見てるのが好きでした。
男の子は扉をよじ登ろうとしますけれど、扉は柵のように穴が開いていましたからそこから邪魔をして出してあげないんですよ。何度も邪魔をして楽しむんです。
でもね、チャイムが鳴りますでしょ?そう、お昼休みの終わる合図です。それが鳴ったら出してあげます。扉をよじ登ることを許すのですよ。で、扉の上まで登ったところでその扉を開けてあげるんですよ。
今思い出すと、私はどうやってそこへ追い込んだのか思い出せないんですが、担いで持っていける訳はありませんし、男の子も楽しんでそこへ自分から入っていたんでしょうね。
でもね、私きっとこの男の子のこと好きだったんでしょうけれどね、自分は気付いていませんでした。

私は、様々な言葉を使って私を罵る男が好きですよ。傷付く時もたくさんありました。慣れてきてしまってはいますけれど、今も心が痛くなります。だけどね、私その痛みがどうやら好きみたいなのです。マゾなのかしら。

もしかしましたらね、私はこういうことを知らずに続けていつか一人になってしまうかもしれませんね。
「いつか孤独死するぞ」と言われたこともありますよ。面白いでしょ?
そうしましたらね、笑って下さいね。でもきっと私、大丈夫だって信じているんですよ。
A2Z
Kは、落ち着かなかった。
動悸がして、食欲もなかった。
それがずっと続いていて、Kにとっての日常となっていた。

Kは夢子が好きだった。
夢子はよくそれを知っていて、彼を翻弄するのを楽しんでいた。
何度も罵ったが、夢子はその罵り言葉を心地良い顔で聞く。

「嫌い、って言われるのが気持ちいい。好きって言われるより好きだってよくわかるから。」

Kは自分が痩せていくのを、夢子のせいだと、腹立たしく思いながら
それだけ自分にとっての夢子が大きな存在だと分かってしまうから
ひどく負かされたようで惨めだった。
眠れない夜にも、惨めに思った。

その眠れない夜に、
夢子はKのことなどちらつきもせず
楽しく過ごし、心地良い眠りについてると思うと余計に眠れなかった。
Kは夢子からいつ連絡がくるかと思うと、予定も入れられない。
腹立たしいのは自分が彼女を好きだからだ、というのがわかってしまうくらいには、Kはバカでもないし、事実を認めることができる人間だった。

だけど、そんな時にKは勃起をしている自分を知るのだ。
夢子に腹を立てながら、それを情けなく惨めに思う時に、彼の身体は反応する。

今からおいで
と言われると、全てを擲って彼女のもとに走った。

彼女は、迎えに来いとラブホテルを指定することがあった。
Kはその痛みに叫んでしまいたくなる。叫んで痛みを発散させたくなる。

「K、どうしたの。どうして私と会えたのに嬉しそうな顔しないのよ。」

夢子は、本当に腹立たしそうに言う。
彼女にはKが苦しいのはわかっていたが、それに不満を持っていると感じると、本当に腹が立った。

Kはその夢子の怒った顔を見ると、それまでの感情が消え、ただ、恐ろしく思う。
怒らせて、嫌われて、捨てられたくない
という気持ちが何よりも強くなるからだ。

Kは自分がどんな顔をしたらいいのかわからなくなる。
様々な感情がごちゃ混ぜになって、混乱する。
泣いたらいいのか、怒ったらいいのか、笑ったらいいのか。

「夢ちゃん、僕は一体どんな顔をしたらいいの…教えて」

夢子は、Kを泣かせることも勿論可能であったが、そうはさせなかった。

「笑えばいいの。笑ってごらん。」

彼女は、そういった時の歪な笑い顔を見ると心が騒ぐ。
もっとKのことを、ボロボロにしたいと、せっつく。

Kの見上げる顔は常に指示を求めていた。
Kは夢子の一挙一動に脅え、心を震わせた。

夢子が残酷な気持ちになった時、彼女はKをいたぶる。

「K、私にとって、Kは一番に好きな人なんかじゃ勿論ないよ。わかってるよね。
それでも私を好き?」

夢子が残酷であるほど、Kと夢子の差が際立って、そういう時に、夢子は輝く存在にうつった。

「好き」
「私の一番じゃなくても、側にいたいの?」

今にも嗚咽しそうな姿に夢子は興奮する。
彼女はこうして、自らの口で言わせて認めさせるのを好んだ。

「嫌なの?じゃあもう一緒にいられないね。」

水風船がはじけた。

Kは、叫んだ後で次々に涙を零した。
涙の隙間に、一番じゃなくても一緒にいさせて、と言った。

夢子はそれを満足げに見て、快感を享受していた。
これ以上に気持ち良くなれることはないと、今の彼女は疑わないだろう。

Kの涙は彼女の股を濡らしていた。

夢子はKを壊したいが、しかし同時に壊したくなかった。壊した時には、快楽が終結するからだ。
なぶり倒して、可能な限り快楽に溺れようと自ら意志を確認して
蹴飛ばしたつま先を差し出して舐めるように命令した。

「壊れて楽にもさせてあげない。Kは私の快楽の為に、限界まで使われ続けるんだよ。いいね。」

Kも幸せを甘受していた。

「そう。だって僕は夢ちゃんの快楽の為にいるんだから。」
A2Z
彼は練習熱心だから、弦から、火が出て火事になるかもね。

とわたしの音楽の先生は言いました。

わたしがその彼のお部屋に忍びこむことに成功して
たくさんお友達がいる中で
布団をかぶりながら

「お腹が空いた」
といったら
そのI先輩は、
「それなら僕の小指を食べたらいいよ」
と言いました。
わたしはその先輩の小指を食べました。
その小指は火事を起こし得る指でした。

「先輩、先輩って自分のお城が欲しいと思っていそう」
「そうだねぇ、僕は僕の城が欲しいな」

わたしはI先輩のことが好きになってしまいました。
デートをしました。

I先輩はわたしに海岸で先輩の音楽を聞かせました。
真夏の日に。

わたしを連れて、わたしの前で聞かせてくれました。
声をひそめて忍び込んだ先で。

彼はわたしの憧れでした。

わたしは色んなエッチなことをしました。
先輩を縛ったり、お尻に指をいれたりしました。

わたしが男の人の射精するところを見たのは、I先輩が初めてでした。
わたしが男の人の頬をつよくぶったのも、彼が初めてでした。

そうしてるうちに気付いたらI先輩はわたしのものになっていました。




わたしとIが別れたのは、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトを聞きに行った日でした。




「夢は、僕と出会って恋からSMへと関係が変わっていって、それを別々にしなければならないと決めた。でも、今それを一緒にしてると思うと、なんだか相手の男がずるく思えて無性に腹立つんだよ。」

とIは言いました。

「まるで、逆走だ。」
「でも、Iとの経験があって今があるんだよ。」
「それはわかっているけど」


「夢のことをね、追いかけるのを僕はいつの間にかやめたんだ。もうやめたんだ。
夢は、僕とは別の星に生きているんだと思ってね。
僕には夢の星へ行く宇宙服がないんだ。
そう思ってあきらめたのに。」


わたしは、結局Iがなにを話したかったよくわかりません。
I自身もわかっていないようでした。
でもなんとなくわかった気もしています。

ただ、私はかつての憧れのI先輩の口振りを懐かしく、味わっていました。



あの時、火事が起きたのはわたしの心だったようでしたが
今はそれは鎮火しているのです。