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私の前に身体を自由に動かせない男がいる。目の前に立って見つめると、男はこちらの意向を探るように窺い見る。目線が合うとすぐに外される。
もう充分に動けないこの男に、私は拘束を足していく、首輪、口枷。これでもう話せない。

さて、何をしようかな。

焦る必要はない。
だって、ここから彼は逃げ出せないんだから。
今度は口に出してみる。

何しようかな?

男は哀願するような瞳で見上げる。私はそれを眺めながら、いくつかの選択肢を想像する。
私はこの時間が好きだ。

お前の身体は今、お前の意志の下ではなくて、私の意志の下にあるんだよ。
私が下す決断をお前は、ひたすら甘受するしかない。ただそれだけが、お前のできることだよ。
私の機嫌を損ねないでね。お前の為に。

私はそれを心で言いながら、顔に触れ、見つめるのも好きだ。
声に出す言葉はいつも短くなる。

今から私の与える全てに、喘いでもらおう。

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お前たちは私に苦しみを訴える。伝えずにひたすらに耐える時もある。そこから逃げ出そうと足掻いたり、助けてを請うたり、ひっそりと逃げる時もある。

マゾとは難儀なものですね。

そこに何かしらの苦痛がなければ快楽を感じられない。ちょうど良い苦痛だと快楽が足りない。苦痛に塗れた時に初めて得られるものがある。
溺れそうになりながら、得られそうな、得られた快楽にも同時に浸かってる。

こんな思いしなければ、良かったのに。と思う時もあるでしょう。
そこへ導いたのは私だけれど、それを求めていたのはお前だよ。

届かない何かに惹かれるでしょう?憧れ続けていたいのでしょう。
手に入ってしまったら、それは憧れではなくなるんだよ。焦がれる時に、甘さを感じているよね。

苦しみがあるからこそ、忘れられない快楽を知ることができる。
不思議だね。

だけど、私はお前たちがいるから、満たされる。
苦痛と快楽が入り混じったところで、足掻いている姿が可愛くて、助けたくも、沈めたくもなる。

自分のことは不思議には思わない。自然なことのように感じている。


色々な刺激に塗れて、マゾがどんどん考えられなくなって、意思が消えていくのが好きだ。
そんな状況になると、彼らは本当は逃げられるはずなのに、抵抗できるはずなのに、その手段がないと思う。
私の言うことを聞くか、許しを請うかしか選択肢はなくなる。

私はそんな時によく語りかけてるようだ。
自発的に動かなければいけないことを命令したり、質問をしている。
命令への反応は鈍いし、質問へは答えになっていないことが多い。
考えられない時に語りかけているのだから当たり前なのだけど。

なんで語りかけているのか
無意識にやっていることだから、よくわからないのだけど、より厳しい状況で服従させたいし、服従することを教え込んで、支配を強めたいのだと思う。
そうして意思をなくして、私だけに集中させたいのかもしれない。
ただ耐えるだけではなくて、能動的な言動をさせることで、刺激ではなくて私が主体であることをハッキリさせたいのかもしれない。

私が正確にわかっていることは、そんな風に命令してそれに必死に従っている姿を見ると、興奮すること。
2019.08.10 人道VS支配欲


マゾでも、そうでなかった人でも、継続的な関係を続けていると、私の中で葛藤が生まれる。
支配欲を主としたサディストとしての自分と、それを抜いた人間として相手を思う自分。

思い返せば、私はいつもその二つの間で葛藤を繰り返している。
プレイの時はサディストとしての自分を全開にしてもいいのだけど、関係性に加虐の欲望が混じってくるから困る。このまま相手を苦しめて、貶めて、壊してしまいたいという欲求がある自分に気付く。

傷付いた顔をされると、ザワッと沸き立つ。
それを理性で打ち消そうと努力する。

もう少し前は、欲望の方を優先してきた。もうどうなってもいい、と踏み出す時の快感度数はものすごく高い。自分の感情と相手の感情が揺さぶられていて、大きい程、それは甘い。
そうしたくなるのは、相手の反応があってこそ。
傷付きながら、どこかで相手も快感を覚えていることを、こちらも察知する。
相性がいい程止まらなくなる。

でも近頃は、少し学習したお陰で、理性を総動員してそれを止める。
欲望を抜いた自分には相手を大事にしたい気持ちもあるから。

それに、止めるのは私の欲望が少なくなったからじゃない。寧ろ前よりも貪欲になっている部分もある。
こんなに気持ちいのいいこと終わらせたくない。壊したくない。もっと気持ち良くなってやる。と思っている。
私がお前に近づいたのは、お前に手を伸ばしているのは、今からお前を苦しめる為だってわかっているよね?
それなのに、どうして嬉しそうにしているの?

それは、私から与えられるものならば、なんでも欲しいからなんでしょ。何も与えられないよりは、苦しみでも与えられる方が良いよね。

でも、どうして、嬉しくて仕方ないのに私から逃げようとしているの?幸せを強く感じていながら恐いと言うのは何故?何に困っているの?

『会えない時間が辛いから。』

本当に辛いの?
会えない時間も楽しいんじゃない。毎日考えて、幸せを反芻して、幸せを待ちわびて、会えた日にはもっと嬉しくなれるでしょ。

私は檻に鍵をかけてはいないけど、お前の逃げる道は全て無くしておいたから。お前は私の快楽の為に、私の快楽をお前自身の快楽だと感じるように、ずっとそこにいればいいんだよ。

ずっとそこにいていいんだから、迷うことがどこにあるの?


Photo by Ichika Hiiragi